若者の街、渋谷を流れる渋谷川は
港区に入ると古川と名を変えて
JR浜松町駅あたりで東京湾に注ぐ。
全長約7キロの2級河川である。

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麻布を流れる古川

まあ、一般人には川というよりも
ドブのように映っているのかもしれないが
よく見ると三面護岸ではない。
両岸は他の都市河川同様にカミソリ護岸だが
川底は護岸されていない箇所もある。

今日の昼下がり
麻布をてくてく歩き
古川に出会った。

「この川底ならテナガエビでもいそうだな」
なんて思ってしばし凝視していると
小魚が大量に死んでいるではないか!

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川底に小魚の死骸が…

この季節に
川底が白くなるくらい大量に死ぬ魚といえば、アユか……。
まさか、こんな川にもアユはのぼるのだろうか。
いや、神田川にものぼるくらいだから
ありえるかもしれない。
でも、イナっ子の可能性もある。
それにしては細いか。
やっぱり、アユのような気がする。

それにしても
古川(渋谷川)にコイではなく
こんな小魚がいるとは知らなかった。

もっとも
「春の小川はさらさら流る。蝦やめだかや小鮒の群に」
で知られる春の小川のモデルは
古川と同水系の河骨川(渋谷区代々木)であったというから
50年ほど前までは
普通に、さまざまな魚たちが泳いでいたんだろう。

ところで、今の小学生も「春の小川」を歌うのだろうか。
都会の子供たちは
どんな川をイメージしながら歌っているのだろう。

(山根)