昨日は18時30分が満潮だったので
多摩川下流部に到着したのは15時くらい。
多摩川下流部では
満潮の前後2時間くらいがハゼの食いが立つ。

台風10号による豪雨で
ハゼが下ってしまってないか心配だったが
なんのことはない
1投目からブルブルアタリが連発した。

釣り始めは川の水位がまだ低く
ノベザオで探れる範囲の浅場にきているハゼは
体長5センチ前後の小型が大半。

けれど16時を過ぎたあたりから
12〜13センチがコンスタントに当たりはじめ
15センチ超もけっこう混じった。
20センチ近いウロハゼもゲット。

ぼくが入釣したのは多摩川の最下流部で
普段は滅多に人がいないのだが
昨日は家族連れが3組ほどサオをだしていた。

その中の1組に小学校3〜4年生くらいの男の子がいたので
話しかけてみた。
というのも、その男の子が使っているエサが
ハンペンのような白く四角いのだ。
最近流行りのワームかなにかをちぎって使っているのかしらん。

すると
「カニのウデの身ですよ」
真っ黒に日焼けした少年は
ニコッと笑って白い歯を見せた。

「えっ!?」

なるほど、バケツの中を見ると
現地調達したであろうカニがガサガサ入っている。
コイツをエサにするのか…。

イソメを掘って釣る人はたまに見かけるけど
カニの身を付けて釣るのは初めて見た。

そこそこ釣れるだろうとは思うけど
なんかカニが気の毒になった。
実際、エサが大きすぎるようで
アタリはよくあるようだが
なかなかハリ掛かりさせられないでいた。

でも、あれくらいの年頃の男の子って
カニやらカエルやらバッタやらセミやらを
捕まえては殺したがるんだよな。
そうやって殺生を重ねるうちに
命の尊さが分かってくるんだろう。

少年は根掛かりすると
ズブズブと川に入ってハリを外していた。
全身ズブ濡れになりながら
ハゼを黙々と釣る少年が
ちょっぴりまぶしかった。

(山根)