なんだか、西湖のクニマスがすごいことになっている。

以前、雑誌の企画で本栖湖や西湖に
「幻の魚を釣る」
というような感じでクニマスをねらったことがあったけど
もちろん釣れない。

というより、やっている当人が
「いるわけがない」
と思っていた。

だから、今回のクニマス発見には
心底驚いたしだい。

しかも、さかなクンが見つけたというところが
また凄い。
さかなクンの魚にかける情熱には
同じく魚を愛する者としてただただ感服です。

一連の報道で残念なのは
クニマスは田沢湖の固有種であり
西湖のクニマスは「国内産外来種である」と
一部の魚類学者が言い始めている点。

たしかに、「国内産外来種である」ことに違いないが
これはイケナイことなのだろうか。

そもそも、日本の内水面で漁業を行なう場合
漁業者に漁業権対象魚種の増殖が義務付けられている。

つまり、海と違い内水面は生産力が低いため
取った分を放流するなどしてフォローしないと
魚が少なくなってしまうのである。
持続可能な漁業にするための義務である。

西湖はヒメマス、ワカサギ、ヘラブナなどが
魚種認定されていて
それらは毎年放流されている。
ヒメマスもワカサギもヘラブナも
もともとは西湖にいない魚であり
国内産外来種である。

クニマスが西湖にいてはならないというのなら
ヒメマスもワカサギもヘラブナもいてはならないということになる。

といって、
「そんなに大事な魚なら全面禁漁して保護すべきだ」
なんてことになると
西湖の漁業関係者は生活できなくなってしまう。

この辺のさじ加減はとても難しいところだ。


(山根)