統一地方選2011。

出口調査を基にした当確予想を見ていると
なんだか、狐につままれたような気がした。

原発がひとつの争点になると見られていた
東京都や佐賀県の知事選で
いずれも推進論者が圧勝したのだ。

今回の福島第一原発の事故は
言うまでもなく人災だ。

東電、経済産業省、御用学者らによる
デタラメな原発設計、運営が明るみになったわけだが
それでも、原発を望む人が反対する人より
圧倒的に多いということだ。

石原都知事はかねてから
原発は日本にとってなくてはならないものであり
原発がないと日本は潰れると言っていた。

しかし、ぼくはその可能性よりも
原発事故により日本が終わる可能性のほうが高いと思う。

また、統一地方選2011の当確インタビューで都知事は
「日本人は贅沢の暮らしをしすぎだ。だいたい、パチンコ屋や販売機があんなに必要なのか。パチンコ屋と自動販売機だけで1000万キロワット近い電力を消費しているんだ」
だから、あんなもの止めてしまえという。

でも、そうやって日本人が節電生活を始めたら
ますます、原発なんて必要ないではないか。

スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマと
絶対に安全なはずの原発は
この30年で3回大事故を起こしている。

それにより数万年もの間
生物が住むことができない地域が生まれた。

確率でいうと10年に一度。
猛毒に冒された不毛の土地が
じわじわと地球を蝕んでいくのだ。

原発推進論者はよく
「原発よりも自動車のほうが危険だ」
などとうそぶく。

たとえば日本では原発事故で亡くなったのはまだ2人だが
クルマでは毎年、数千人が亡くなっている。
これまでに数十万人が亡くなっているではないか
というのだ。

メチャクチャな論理だ。

一度事故ったら、取り返しのつかない事態を招くのが
原発ではないか。
しかも、その被害は1年や2年で癒えることはなく
何百年、何千年と続くのだ。

この狭い国土の島国の
いったい、どれくらいの範囲が
二度と立ち入ることのできない場所になってしまうのか。

また、放射能に汚染された大量の毒水を
他国に断ることなく海に捨て
国家テロの烙印を押されてしまったこの国が
この先も、諸外国からまともに付き合ってもらえるのだろうか。

原発推進論者の考えが
ぼくには全く理解できない。

(山根)