渓流釣りのベストシーズンが到来です。

今期は春先が寒かったためか
今のところ全般的に渓魚はあまり釣れていないようです。

つまり、まだ多くのヤマメ・イワナが渓流に
ストックされているということ。

というわけで現在制作中の
月刊つり人6月号(4月25日発売)の特集は
渓流釣りです。

渓流釣りといっても
エサ釣り、テンカラ(毛バリ釣り)、ルアー・フライフィッシングがあります。
月刊つり人がメインに扱うエサ釣り・テンカラ釣りでは
よくナチュラルドリフトという言葉が使われます。

ナチュラルドリフトとは
自然に近い状態で仕掛けを流すということです。

これは渓流釣りにかぎらず
さまざまな釣りにいえることです。

魚は警戒心が強い。
不自然な流れ方をしているエサには
警戒して食いつかない。

実際、その通りで
自然に近い状態で流すことができるようになると
釣果はグンとアップします。

しかし、この考え方が100パーセント正しいかといえば
それはどうでしょう。

釣りが一生の趣味などといわれるのは
答がひとつではないからです。
1+1=2
のかぎりではないのが釣りなんです。

自然に近い状態で流れてきたエサには安心して食いつくけど
不自然な状態で流れてきたエサには警戒して食いつかない。

これは、あくまでも釣り人側の一方的な推理です。
魚が回答したわけではありません。

しかし、現象としては、多々あることなので
決して間違っているわけではないでしょう。

でも、自然に近い状態で流れてきたエサには食いつくけど
不自然な状態で流れてきたエサには食いつかない理由が
安心と警戒だけなのでしょうか。

こういう考え方はどうでしょう。

自然に近い状態で流れてきたエサは食いやすいけど
不自然な状態で流れてきたエサは食いづらい。

エサ(疑似餌も含む)には必ずイトやハリがついています。
それらは、流れの抵抗を受けます。

魚は、どのタイミングで動けば
うまくエサを捕食できるかを体で覚えています。
だから、自然の状態で流れてきたエサを食い損なうことは
あまりありません。

しかし、イトやハリの抵抗で流れ方に変化が出てしまうと
通常の捕食行動では、うまく口に入らないこともあるでしょう。

特に、月刊つり人6月号で大きく扱っているテンカラ釣りでは
「食い損なっているな」と感じられるシーンを
しばしば目にできます(ぼくみたいなヘボほど)。

なんだ、じゃあ魚が警戒しているなんて
釣り人の一方的な考えか
というと、これまた違います。

明らかに、釣り人のエサだと見切っている
賢い魚に出会うことも多々あります。

また、あえて不自然な動きを与えることにより
魚をハリ掛かりさせることもあります。

答はひとつだけではない。

だいたい、人間の考えるままに釣れてしまったら
すぐに魚は滅んでしまいます。

数多い答の中から
その時の状況にあった方法を選択した人だけが
魚を手にすることができる。

だから、釣りは何年、何十年やっても
飽きることがないのでしょう。

(山根)