昨日のNHKアーカイブスで
生きもの地球紀行 「清流 長良川」
が放映されていた。

ぼくがこの番組を見るのは
最初に放送された1993年以来だ。

泣けた。

河口堰が稼働する前の
まだ海と繋がっていたころの長良川。
そこは、さながら淡水魚の楽園だった。
天然のサツキマスが群れていた。

涙なくして見られなかった。

番組の中で
「ダムなどで寸断されていない川は本当に豊かです」
というようなナレーションが
しばしば流れた。

しかし、この番組が放送された2年後
長良川河口堰という名の大量殺りくマシーンが
稼働を始めるのである。

当然、番組制作中に工事はガンガン行なわれていたはずである。

しかし、番組の中では河口堰について
ひとことも触れられていなかった。

ひたすら長良川賛美の内容で
それがかえって、切なかった。

どんなに自然豊かな素晴らしい川であっても
ダムや河口堰が1基でもできれば
川は死に向かってみるみる衰弱していく。

河口堰稼働前と後の長良川が
そのことを雄弁すぎるほどに語っている。

長良川こそが
正真正銘の「最後の清流」だったのである。


(山根)