九州が凄まじい豪雨に見舞われているそうだ。

近年のゲリラ豪雨の激しさには
目を見張るものがあるが
特に今夏は凄い。

先週、東京が豪雨に襲われた際
ぼくは首都高を運転中だった。

ぼくが驚いたのは
フロントガラスに叩き付ける雨粒ではなく
猛烈な稲光だった。

ビル群の向こうに見える空に
まるで銀色のマジックで書きなぐったかのような
鮮明な稲妻がそこかしこに走っているのである。

鈍色の空を切り裂くように走る稲妻は
単なる自然現象であるとは思えないほど
怒りに満ちているように見えた。

「神が怒っている」

ぼくは車体を振動させる雷鳴に
神の作為を感じずにはいられなかった。

福島第一原発は今なお
日本中を放射能の恐怖に陥れている。

まだ予断を許さない状況であるにもかかわらず
国は玄海原発の再開を促し
玄海町の町長や佐賀県知事は
その要請を受け入れる構えをみせている。

森羅万象に宿る神は寛大だが
さすがに今回の日本人が犯した過ちは
その逆鱗に触れてしまったのではあるまいか。

山川草木はもとより
河原の小石ひとつにも神々が宿ると教わってきたぼくは
昨今の豪雨に、
神々の怒りを感じずにはいられないのだった。

(山根)