北海道北部の留萌地方を潤す天塩川(てしおがわ)は
日本で4番目に長い川であり
手つかずの自然が残されている清流という意味では
日本一といえるかもしれません。

北海道の中でもサクラマスの魚影は群を抜いていて
1メートルを優に超すイトウが潜んでいます。
チョウザメが捕獲された記録もあり
文字通り「国宝」といえる貴重な川です。

この一大支流であるサンル川に
いわゆる「建設自体が目的のダム」計画がありましたが
ムダな公共事業の典型ということで、民主党政権が凍結しました。

しかし、民主党政権が凍結したはずの不毛な公共事業が
全国各地で次々と息を吹き返していくなか
あろうことか、このサンルダムの建設の再開が決まったそうです。

サンル川の美しい流れはコチラでご覧になれます。

人間の大人の血管の長さは10万キロに及ぶそうですが
ほんの一ヵ所でも動脈瘤などができてしまうと
血流がそこで止まり、死に至らしめます。

川におけるダムも、まさにそれと同じです。

支流に一ヵ所くらい大丈夫だろうと思われがちですが
一カ所でもダムが造られてしまうと
その影響は瞬く間に川全体に行き渡り
数年で往時の面影はなくなり、多くの生物が死滅します。

この国で輝いていた大きな光がまた、その生命を閉じようとしています。

この国から光が失われる日は、そう遠くないようです。

(山根)