ちょっと調べたいことがあって
ヘミングウェイの「老人と海」を久しぶりに読みました。

「老人と海」を釣り文学の最高峰に挙げる人は少なくありませんが
正直なところ、ワタシにはその魅力が今ひとつピンときていませんでした。

が、改めて読み返してみると、ムムムム。

カジキと格闘するサンチャゴ老人の息遣いが
聞こえてきそう。

素晴らしい。

赤銅色に潮焼けし、うなじに深い皺が刻まれた老漁師が
巨大なカジキをハリ掛かりさせる。

キューバの海を知り尽くした大ベテランであるはずなのに
やり取りを開始してしばらくすると老人は急に弱気になり

「あの子がいてくれたらなぁ」

と少年の助けを借りたくなってしまう。

今回、この辺りから本格的に感情移入していきましたが、
5年後、10年後にまた読み返すと
きっと違う部分に引き込まれていくんですよね。

よし、次に再読するまでに
キューバでカジキを釣っておこう。

(山根)