海に比べると内水面(川や湖沼)の生産力は著しく低いです。

なので、内水面で漁をする場合
漁を持続可能にするため、漁業者に魚の増殖が義務付けられています。

こうした増殖事業をはじめ
内水面での漁業を持続可能な状態に維持すべく
河川の管理者として任命されているのが漁業協同組合です。

遊漁者=釣り人が内水面で釣りをする際
漁協に遊漁料を納めますが
これが放流の原資になります。

また、河川改修工事など、生態系に影響が及ぶと想定される事業に関しては
河川管理者である漁協の許可が必要になります。

ダムなどの生態系に大きな影響を及ぼすことが想定される事業に関して
漁協が反対を貫けば、現行法では工事をすることができません。

逆に言うと、漁協の許可を得られれば工事ができるわけで
その場合、漁協には漁業補償金が支払われます。

驚くことに、内水面の漁協の組合長の中には
ヤマメとイワナの区別の付かない人もいます。

そのような方の多くは
地元の建設会社の社長=有力者であり
自分たちが管理している河川で工事が行なわれれば
補償金に加えて、工事も受注できます。

このような図式で、全国の河川に不必要と思われるダムや堰堤が
次々と造られていったのです。

しかし、漁協の中には
自分たちが産湯をつかった川を乱開発から守り抜こうという気概を持った
ところもあります。

ブランド魚の先駆けともいえる「松原アユ」で有名な
山形県最上小国川を管理する小国川漁協もそのひとつです。

現在、最上小国川にはダムの建設計画があり
あまりにもずさんな計画なため、各方面の専門家が
ダムは必要ないと断じています。

小国川漁協も
「ダムができたらアユやヤマメなどに大きな悪影響が及ぶ」
と反対を貫き通していますが
山形県はどうしてもダムを造りたいようです。

月刊つり人やフライフィッシャーでもこの問題を度々取り上げてきましたが
今朝の山形新聞に信じられない記事が掲載されていました。

「最上・小国川漁協 漁業権消失の可能性」

という見出しでトップに大きく載っています。

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そもそも内水面の漁業権は都道府県から10年期間で付与されます。

小国川漁協の場合、その更新が2014年1月になっています。

記事によると
山形県は漁業権付与の条件に
「公益上必要な行為への配慮」を新たに設け
小国川ダム建設に反対することは
配慮に欠けるため、漁業権の更新をしない
というわけです。

漁業を持続可能にするために管理者として任命された漁協が
漁業を持続可能にするためにダム建設を反対したところ
だったら、漁業権を取り上げると恫喝されたのです。

これまでにも
熊本県の球磨川漁協のように
ダム建設に反対を貫いたがために
国から漁業権を強制収用されそうになった漁協はありますが
裁判でいずれも勝訴しています。

山形県はこうした過去の事例から
漁業権の強制収用は難しいと判断し
「そもそも漁業権を付与しない」
という前代未聞の暴挙に出たわけです。

このような暴挙がまかりとおるような国に
明るい未来は決してないと断言できます。

(山根)