月刊つり人やBasser、Flyfisherで長らく
表紙やグラビアの写真を撮り続けてきた
津留崎健さんの写真集が発売になりました。

その名も
絶景 日本の釣り
です。
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津留崎さんは釣り写真家を生業にすること30年以上
今やテレビで特番が組まれるほどのレジェンドです。

国内だけではなく
海外からの評価も高く、アメリカで作品展を開催したことも。

津留崎さんの写真集は過去にも何冊か出ていますが
いずれもフライフィッシングやルアーフィッシングがメイン。

今回は、書名のとおり
日本の釣りがテーマです。

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日本は四方を海に囲まれた島国でありながら
列島の中央部には脊梁が走り
そこから幾筋もの川が流れ海や湖沼に注いでいます。

日本は島国であり、川の国でもあります。

日本人は古来から、食べるためだけでなく
純然たる遊びとして釣りをしてきました。

魚種別にハリやサオがあるのもそのためです。

たとえばハゼやアジなどを釣ろうと思ったら
専用ザオでなくても太いサオで釣れます。
しかし、それだと、引き味は楽しめません。

体長3mを超えるマグロも
体長3僂頬たないタナゴも
ひとつの尊い命を持った生命であることに変わりありません。

小さな生き物だから、その生命をないがしろにしていいなんてことはありません。

山川草木にも神々が宿ると信じてきた日本人だからこそ
小魚1尾釣るのにも、敬意を払って、最大限に楽しもうとしてきたのではないでしょうか。

こうした考え方こそが、日本の釣り文化を世界に類がないほど発展させてきたのです。

絶景 日本の釣りには
脈々と受け継がれてきた日本の釣り文化が
美しい写真となって表わされています。

写真を眺めているだけで
穏やかな心を取り戻せます。

本書の帯には
「穏やかなることを学べ」
と記されていますが
これは、言うまでもなくアイザック・ウオルトンの釣魚大全からいただいたものです。

ウォルトンが名著『釣魚大全』を著した1650年代のイギリスは、
ピューリタン革命のただ中にありました。
あの動乱の時代に釣りの本を刊行することは容易ではなかったはずですが、
さらにウォルトンは最後の一行を
”STUDY TO BE QUIET”「穏やかなることを学べ」と飾っています。

釣りすることで人々が穏やかな心を取り戻すことができれば、
争いなど起きないというメッセージだったのではないでしょうか。

原発問題、憲法改正問題、少子化問題など
日本は深刻な問題を抱えています。

そんな今だからこそ
釣りを通じて
心を穏やかにすることができれば
人生がより素晴らしいものになるはずです。

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(山根)