昨日のブログで
豪雨が降る→ダムがすぐ満水になる→ダムを放水する→河川が一気に洪水する
という話を書きましたが
昨夜(8月11日)の報道ステーションで
まさに、このことが報じられていました。

台風11号で最も被害を受けたエリアに
加茂谷中学校の2階付近まで浸水した
徳島県阿南市が挙げられますが
これは市内を流れる那賀川が氾濫したためです。

那賀川が氾濫した要因として
上流部にある長安口ダムの放水が疑われているというのです。

長安口ダムは堆砂が進み
機能不全ダムとして以前から指摘されていたそうですが
今回の台風11号による豪雨で
5400トンもの放水を行なったというのです。

「あっという間に水位が上昇した」
と流域住民のコメントが流されていました。

これを見て
私は以前、熊本県人吉市の老舗「人吉旅館」のご主人に聞いた話を思い出しました。

人吉市といえば、尺アユの聖地、球磨川が流れています。

夏季には全国からアユ釣り客が訪れてにぎわいます。

人吉は球磨川のアユ釣り場の中心地でもありますが
昭和40年に大水害に見舞われました。

人吉旅館のご主人は
この大水害を体験されたのですが
「水位が一気に2mも増えた」
そうです。

球磨川は以前から氾濫を繰り返していましたが
人吉旅館の主人をはじめ、流域住民は
あと、どれくらいで川が氾濫するか、
水位の上昇ぐあいを見て判断できたそうです。

しかし、昭和40年の大水害の際の水位の急激な上昇は
それまで体験したことがなかったといい
そこで疑問視されたのが上流部にある市房ダムの放水でした。

球磨川が豪雨で増水しているところに
さらに追い打ちをかけるかのような多量なダム放水。

これが、「一気に2m」という水位上昇をもたらしたのです。

球磨川の一大支流に川辺川があり
10年ほど前の川辺川ダム建設反対運動は全国から注目されました。

ダム放水の怖さを知っている流域住民は
川辺川ダム建設に反対を続けました。
一方で、ダム推進派がダム建設の理由のひとつとして掲げたのが
人吉の大水害のような水害から流域住民を守る
ということでした。

つまり
流域住民は
「ダムを放水すると洪水がさらに危険な状態になるからダムはいらない」
と言い
推進派は
「洪水から守るためにダムを造る」
と言うわけです。

ちなみに、今回の那賀川の氾濫の原因に関しても
「ダム放水とは無関係」
とダムを管理する那賀川河川事務所は言っていました。

(山根)