これぞバチ天国!
なんて書いた次の日。
そんなものとは比較にならない
これまで見たこともない数のバチ抜けに遭遇しました。
もう一面がバチ、バチ、バチ……。
その数は……想像もつきません。
試しに足もとに玉網を入れてザバッとひと掬いしてみたところ
それだけで20匹ほどのバチが入ります。
サイズはみな8cmほど。
特別大きくもなく、
この時期によく見られる3cmほどの円を描くタイプのバチでもありません。
通常のゴカイよりも太く、赤みが強く、
アカイソメに似ている感じですが、
触れただけで溶けたり千切れてしまうほど繊細です。
足もとを写しただけでこの数! 運河はエサが豊富なんです!
しかし……。
あまりにもバチが多すぎるのも考えものです。
水面下におびただしい数のバチがいるわけですから
わざわざ水面にライズして食う必要がないのです。
口を開けていれば
大量のバチで魚は満腹になるでしょう。
それに確率の問題。
いったい何匹のバチがいて
何尾のシーバスが集まっているのかは分かりませんが
本物の中から偽物を選んで食う確率は
おそらく千分の1程度?
案の定、ルアーにはさっぱりでした。
そこで、いつもとは逆行動。
バチの少ない場所を捜しました。
すると、流れの弱いワンドには
ほとんどバチが流れていません。
しかし、ライズはあるのです。
少ないからこそ1匹を夢中になって追う。
結果、ライズになるということでしょうか。
1投目。なんと海面がモコモコモコと盛り上がり
潜水艦のようにワームに接近する魚の気配。
「モア……」
と水が動くと、ロッドティップに重み。
これは……
思ったとおりボラ
いやそこまで出世していないイナでした。
臭みに耐えながらフックを外し、
2投目。
またも海面がモコモコモコと盛り上がり
潜水艦が「モア……」。
ナリは小さくても湾奥ボラは臭気いっぱい。
あまりの臭さにメゲて帰りました。
同じ運河でも
毎日表情が違います。
潜水艦のようにモコモコと近付き「モア……」とするのはボラかマルタウグイです