今日からいよいよ楽天×日本ハムの
クライマックスシリーズ第2ステージが始まる。
月刊つり人×楽天のコラボ企画を行なっていることもあり
気が付くと、夏くらいから楽天を応援していた。
球団創設5年目にしてCS出場を果たした
野村監督の手腕を認めないわけにはいかないだろう。
野村監督といえば、
「王や長嶋がヒマワリなら、
オレはひっそりと日本海に咲く月見草」
をはじめ、数々の名言を残してきた。
さて、本題に入ろう。
月見草に関しては
太宰治も
「富士には月見草がよく似合ふ」
と「富嶽百景」の中で詠んでいる。
月見草は
日本人の美意識の礎となっている侘びさびを
象徴するような花であるが
実はこれ、外来種。
メキシコ原産といわれている。
月見草だけでなく
タンポポも今では
ヨーロッパから伝わったセイヨウタンポポが
最もポピュラーだし
今、紅葉がきれいなイチョウだって
外来種である。
このように外来種を挙げるときりがないわけで
外来種が入ってきたからといって
生態系が崩壊するというようなことはないのだ。
むしろ生物多様性は
今までにはいなかった新種が入ってきて
それを巡って
繁殖を阻止したり、駆逐されたり、共存したりと
さまざまな攻防が動植物の間で繰り広げられ
結果として、進化していくものなのである。
ただし、それには自然がしっかりと機能していなくてはならない。
ぼくは子どもの頃
ザリガニやカエルやヘビやカメなど
さまざまな生物を飼育していたが
中でも印象に残っているのはウナギである。
ウナギを3尾ほど飼っていたのだが
大きくなるにつれエサの用意が大変になった。
ぼくは近所の田んぼに行き
用水路でドジョウを捕まえてウナギに与えていた。
ある日、
いったい、このウナギたちはどれだけのドジョウを食べるのだろう
と思い
50尾ほどのドジョウを一度に入れた。
すると、翌朝にはドジョウが1尾もいなくなっていた…
このように、水槽というハコの中では
食物連鎖の頂点にいるものが
下のものを食い尽くしてしまうのである。
しかし、では川や湖でウナギがエサを食い尽くすかといえば
もちろん、そんなことはない。
生態系の頂点に君臨するものが
その下にいるものを食い尽くすようなことはしない
ことは小学生でも知っている。
ウナギは海で産卵するが
同じように魚介をエサにする在来種としては
ナマズ、コイ、イワナなどがすぐに思い浮かぶ。
生きるために当然、魚介類を日々口にしているが
彼らが産んだ卵やふ化した仔魚は
小魚たちのエサにもなるのである。
そうやって共存していくのだ。
魚食魚という点では
何かと悪のレッテルを貼られる
ブラックバスやブルーギルも同様である。
春になると
ブラックバスが産卵床を守る姿を岸際で目にできる。
その周りには
コイやウグイが卵を食べようと集まってくる。
ブラックバスは追い払おうとするが
間隙を縫って卵を食われてしまう。
ブラックバスやブルーギルが
ウナギやナマズと違うのは
日本で生まれたかどうかという点である。
しかし、大メディアでは
相変わらずブラックバスやブルーギルの食害が報道される。
まるで、魚を食べること自体が邪悪な行為のように。
つい最近も、
どこかの研究者が
ブルーギルが誘発するフェロモンを利用し
ブルーギルをオトリにして
ブルーギルの捕獲量アップに成功したと
報道されていた。
そのような研究が無意味とはいわないが
それで外来種を絶滅できるとでも思っているのだろうか。
ブラックバス、ブルーギル、ライギョ、アメリカナマズ
アメリカザリガニ、ウチダザリガニ、ウシガエル
ニジマス、ブラウントラウト…。
ぱっと思い浮かぶだけでも
これだけ多くの外来種が我が国の内水面には生息しているが
これらを駆逐することなど到底できない。
しかし、現実には、それらの駆除費が
我々の税金から拠出されている。
そんな無駄なことに税金を注ぎ込むのであれば
在来種が生きやすい環境作りにカネを使ったほうが
どれだけ有益か。
在来種が減った原因を
外来種になすりつけるのはもう終わりにすべきだ。
(山根)