今朝の読売新聞読みました?
衝撃的な社説が載っていましたね。
「八ッ場ダム 遅すぎた「中止棚上げ」表明」
と題し、八ッ場ダム建設中止が
中止になったかのようなことが書かれている。
建設中止はまだ決定したわけではない。
あんなもの、絶対に造らせてはダメだ。
これは日本国民の民意であるはずなのに
読売新聞の社説の論調は
「建設中止の中止は妥当」というものだ。
その論拠として掲げられているのは
これまでに3000億円が費やされている。
ダム建設を中止した場合
さらに自治体の負担分を返還せねばならず
財政事情が厳しい昨今
そんな無駄は絶対に許されないというものだ。
まるで、国交省のお役人が書いているかのような
お粗末な代物だ。
社説ではダムの必要性は全く書かれていない。
単にこれだけお金をかけてしまったものを
途中でやめたら無駄でしょう
と言っているのだ。
では、社説のとおり
ダム建設を再開したとしよう。
総事業費は維持費(70億円)も含めて4670億円とされている。
だから、1670億円がさらに必要になるのだ。
中止すれば
生活再建費770億円
利水負担金(関係自治体への返還分)1460億円。
合わせて2230億円が必要になる。
と考えると
やっぱり中止のほうが高くなると思われるが
利水負担金の中には国庫補助金も含まれており
実際には約890億円になる。
そうすると1660億円。
中止のほうが10億円安くなる。
これはあくまでも、工事が予算通りに行われた場合である。
前述したように
総事業費は4670億円とされているが
元々は2110億円だったのだ。
すでに倍以上に膨らんでいるのだ。
このいい加減さは八ッ場ダムにかぎった話ではなく
特に規模の大きな公共工事ほど
予算は当初の予定よりも大幅に膨れる傾向がある。
メディアでは
八ッ場ダムの工事進捗率はすでに7割であり
7割も造ってしまったものを
今さら政権が変わったからといって止めていいのか
などと報じられている。
しかし、これは大きな間違いである。
市民団体である「八ッ場あしたの会」の資料によると
7割という数字は工事の進捗率ではなく
総事業費4600億円のうちの7割が
平成20年度までに費やされたというものである。
したがって、もし建設が続行されるようなことになれば
4670億円をはるかに上回る
巨額の血税が、この不毛なダムに注がれることになる。
奇跡的に4670億円の予算内に収まったと仮定してみても
治水のためでも利水のためでも発電のためでもない
造り始めちゃったから最後まで造らないと
というような不毛なダムを
この環境の世紀に造ってしまっていいのか!?
(山根)