先日、ある人から
「今まで食べた刺身で一番旨かったのは」
と聞かれた。
その時はうまく答えられなかったが
いまふと冬場に釣ったスマガツオの記憶が蘇ってきた。
スマガツオは西日本ではヤイトとも呼ばれる。
胸ビレの下に黒点が1〜7個あるので
ヒラソウダなどと一見して判別が可能。
離島で磯釣りをしていると外道でよく掛かる。
秋口に釣れることが多いが
秋口の30〜40センチクラスは脂の乗りが今一つで酸味がある。
小笠原では1メートルクラスも釣れる。
水温の低下に伴い
スマガツオの群れは小笠原など南の海へ移動してしまうが
冬場でも時折、伊豆地方で掛かることがある。
もし、40〜50センチクラスのスマガツオが冬場に釣れたら
何よりも大事に持って帰ることをオススメする。
カツオは通常身が赤いが
冬場の良型スマガツオはピンクっぽい色をしている。
たぶん脂なのだろう。
それを口に入れると
舌の上で溶けてなくなってしまう。
切り身はなくなるが、濃厚な甘みがいつまでの舌の上に残る。
ぼくが今まで食べて一番感動したのは
冬場の良型スマガツオの刺身かもしれない。
(山根)