ざっと日刊つり人

釣り情報満載! 国内で最も歴史のある釣り雑誌「月刊つり人」編集部員によるオフィシャルブログです。
取材時の裏話など、釣りにちょっぴり役立つ記事を、ざっと日刊でお届けします!

2011年07月

フクシマの森にパワーをもらう

この時期
雑木林のような場所に行くと
カブトやクワガタをつい探してしまうオッサンは
ぼくだけではないはず。

川崎市で生まれ育ったぼくにとって
地元でカブトのオスを捕ることは
東京湾の磯や堤防でクロダイを釣るのと
同じくらいの難易度。

子どものころは
夕方早い時間に目星をつけた木に蜜を塗り
夜に懐中電灯を手によく行きましたが
5回行って一匹捕れればいいほう。

かろうじてコクワやノコギリのメスをゲット
という展開が多かったな〜。

さて、先日、飯館村に行った帰り
福島市の郊外にある雑木林に行きました。

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黄昏のフクシマ

微かにカブト臭がしたので
「ひょっとして、この林でカブト捕れますか」
と同行者に聞いたところ
「今時分はいくらでも捕れますよ」
とあっさり。

「またまた〜、カナブンじゃなくてカブトですよ」
と念を押すと
「カブトだけじゃなくてノコもミヤマもいっぱいいますよ」
とのこと。

すぐそこに、いい木がありますからというので付いていくと

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「ウオ〜ッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

遠目にもそれと分かる光景が。

ヤナギの若い木に
カブトが何匹いるかすぐにはカウントできないくらい蠢いている。

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ミシミシとカブトのオスがケンカする音まで聞こえてくる。

特別にカブトを寄せるための何かをしているわけではなく
フクシマの雑木林の夏の日常なのだそう。

今回、飯館村〜相馬に行き
10人近い人たちと話す機会を得ました。

東京で働いている我々が想像しているよりも
みなさんは放射能に敏感で
さまざまな対策を講じていました。

中には強制的に避難させられてしまった人もいましたが
その他はみな、生まれ育った土地を心底愛していることが
ひしひしと伝わってきました。

春は山菜とヤマメ、イワナ、アカハラ(ウグイ)。
夏はアユ、秋はサケ、マツタケ、冬はキジ、イノシシ……。
春夏秋冬、豊穣の森と川は
さまざまな恵みをフクシマの人たちに与えてくれます。

この豊かな土地から
どうして簡単に離れることができましょう。

まずは、一刻も早く第一原発からの放射能放出を止め
これまでに汚染された土地を徹底的に除染するなどして
フクシマを放射能汚染から守らなければなりません。

今こそ、国民が一丸となって
その方向へ向かうべきではないかという思いを
カブトの木を前に
心に刻むのでした。

(山根)



飯館村の今の姿に何を思う。


計画的避難区域に指定された福島県飯館村。

日本人の心のふるさとともいうべき山間の農村で
村の大半は水田と牧場でした。

とくに飯館牛はブランド牛として高値で取引されていました。

4月10日には
「子どもの教育と放射能」をテーマにした講演が行なわれ
大きな不安を抱えた村民に対して
いかに飯館村が安全かを御用学者が説明しましたが
その翌日に計画的避難区域に指定されました。

それから3ヵ月以上経った美しい農村の姿は
変わり果てていました。

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主を失った水田や牧場は荒れ放題。
一度、このような状態になってしまった水田を元に戻すのは
容易なことではありません。

御用学者や御用メディアは
原発を早く再開すべきだと言っていますが
彼らの目に、飯館村の今の光景は
どのように映るのでしょう。

今はまだ牛だけがクローズアップされていますが
鶏や豚、米、麦、芋、葱などからも放射性物質が検出され
それらの出荷が停止されるようなことになり
農業や畜産を諦めざるを得ない土地が増え続けてしまったら
この国の未来はどうなるのでしょう。

このところ、テレビや新聞では
中国の高速鉄道の事故を大々的に報じています。
中国国家がいかに信用ならないかと喧伝していますが
ぼくからいわせてもらうと
あなたたち御用メディアと現在の日本国のほうが
よほど信用なりません。

先日、原発の30キロ圏内の浪江町住人で
震災以降、避難所暮らしを続けている知人に会いました。

3月12日
知人は警察からすぐに避難するように言われたそうです。
理由を問うても教えてくれません。
止む無く警察の指示に従った知人はしかし
避難所へ向かう時ですら
原発が爆発したなど想像だにしなかったといいます。

「子供のころから原発は絶対安全だと学校でも教わってきたから
一瞬たりとも、まさか原発が爆発したなんて考えませんでした」

知人は絞り出すような声で言いました。

これを洗脳と言わずして何と言うのでしょう。

原発を中立の立場で規制するために設けられた
原子力安全・保安院が
電力会社に働きかけて
原発を推進するために
あり得ないことを画策していたことが明らかになりました。

それでも
「中国はどうしようもない」
なんて言う資格があるのでしょうか。

(山根)






震災から4ヵ月後の相馬の海


計画的避難区域に指定された福島県の飯館村を通り
津波により甚大な被害を受けた相馬港に行ってきました。

今回の震災は
天災(地震、津波)と人災(放射能)を別に考えなくてはという意識を
改めて強くしました。

というわけで、まずは相馬港の近況から。

震災から4ヵ月が経ちましたが
痛々しい爪痕がくっきりと残っていました。

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海岸線から1〜2キロ離れた田園地帯に
漁船が何艘も横たわったまま。

相馬というと
風光明媚な松川浦が人気で
白砂青松の景色を愛でながら
夏場はハゼ&カレイ釣りを楽しめました。

その松川浦には
家や車が沈んだままでした。

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「あれ、あの建物は、渡船場の近くにあったおみやげ屋さんでは?」

数百メートル離れた位置にあったはずの建物が
4ヵ月経った今も、
県下有数の景勝地として知られた松川浦に
静かに浮かんでいました。

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沖に見える堤防は
元々はつながっていました。
今回の津波でずたずたに寸断され
その所々には漁船が乗っかったままでした。

港周辺ではダンプやショベルカーなど何台もの重機が
フル稼働しているようでしたが
それでも、堤防に打ちあがった漁船やクルマを動かすことさえも
まだまだできていません。

ぼくはこの海が好きで
春も夏も秋も冬も釣りに行きました。

クロダイ、アイナメ、スズキ、カレイ、ハゼ……。

行けば、必ずや満足のいく釣果と
美味しい魚介料理に舌鼓を打つことができました。

帰りしなに寄っていた魚屋には
いつも女将さんの甲高い声が飛び交い
旬の魚を求めた観光客でごったがえしていました。

昨日の炎天下、岸壁の上に立ち
潮の香りを感じながら
目をつむっていると
それらの光景が脳裏によみがえってきますが
活気あふれる魚屋も、観光客も、女将さんの声も、魚の脂の匂いも
何もありません。

目の前にある静かな海が全部持って行ってしまったのです。

ぼくだけじゃなく
多くの人々にたくさんの恵みをギブし続けてくれたあの母なる海が
一瞬にして、すべてを持ち去ってしまったのです。

自然とはそういうものだと思い込もうとしましたが
なかなか、うまく整理ができません。

長く険しい道のりになると思いますが
観光地として息を吹き返す日が一刻も早く訪れることを
心より祈っております。

(山根)

越後荒川の天然アユがスゴイ!

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昨日は越後荒川に行ってきました。

新潟県下の河川は今夏
全般的に天然アユのソ上が良好なのですが
荒川に関しては
すごくいいという人と
いまひとつという人がいます。

どういうことなのか……。

真相を探りに行ってきたわけです。

どうせいくなら
「すごくいい」と言っている人と行きたいと
荒川のアユ釣りに精通する
伊藤一美さんに同行していただきました。

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結果、伊藤さん101尾。

ぼくは、どうにか30尾。

はたして、その差は……!?

釣れる筋によっては17センチ前後がくるものの
多いのは12〜13センチクラス。
これを荒川のダイナミックの瀬で操作するので
極細仕掛けを使い慣れていないと
なかなかうまい具合に循環できません。

ちなみに、伊藤さんは0・02号の金属イトに付けイトは0・175号のナイロン。
これに0・5〜1・5号までのオモリを付けたり外したり。

繊細かつ攻撃的な釣りをみせていただきました。

残念ながら、昨夜来からの豪雨により
荒川はじめ新潟県下の河川は軒並み大増水。
しばらくアユ釣りはおあずけのようです。


(山根)

この夏は涼しい釣り


今日から再び暑い日々が続きそうです。

そんなわけで
今日発売になった月刊つり人9月号の特集は
とっても涼しくて楽しい渓流釣りです。
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また、同じく本日発売の
トラウトルアー専門誌 鱒の森2011SUMMER はイワナ特集です!
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さらに
この夏、北海道釣行を計画されている方にオススメなのが
エギング北海道です。
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エギングというとターゲットはアオリイカですが
北海道でエギングというと
ヤリイカやスルメイカ、マメイカがメインターゲット。

今風にいうとフィネスエギングとでもいいましょうか……。

昼はトラウト、夜はエギング。
いいね!

(山根)

Honda釣り倶楽部7月号更新しました!


Honda釣り倶楽部が更新しました!

一周年記念ということで
釣り具や釣りDVD、釣り専用メガネ、防水コンデジなどなどが当たる
プレゼントキャンペーンも開催中。

ちなみに、ぼくもちょっとしたコラムを書かせていただいております。

ぜひチェックしてみてください!

(山根)

2011アユ釣り超速報


自分の身体を形成するたんぱく質のうち
0・1パーセントは編集部の真裏に最近できた牛丼屋の牛丼により
作られているのではというくらい牛丼漬けの日々。

ああ、いつになったら仕事が終わるのだ。

ちなみに、連休中
アユ釣りに行けるだろうと思って取りまくった情報を
せっかくなので
このブログを見てくださっているアユ釣りファンに教えちゃいます。

秋田米代川、青森岩木川、絶好調のようです。

なんと弊社社長が
本日、米代川にて21〜22センチを頭に半日程度で50尾ほど。

一方、新潟方面に向かった釣り仲間からの報告では
好調が伝えられていた越後荒川はニゴリが入ってしまっているようです。
三面川は魚も多いけど、それ以上に人が多いとか。

穴としては、久しぶりに試釣りでよかった伊南川。
試釣りであがった魚の写真を見せてもらいましたが
どれも20センチくらいありました。

また、数日前に那珂川の寒井地区に行った
別冊鮎釣りのS編集長によると
ものすごい数の天然アユが見えて
実際に、まずまずの型がいいペースで掛かり始めたようです。

九頭竜川、神通川は数はすこぶる多いですが
型がまだ小ぶり。こちらは来週か再来週くらいからが本番か!?

というわけで
みなさん、ぼくの分まで釣ってきてください……。

(山根)



台風前の3連休どこへ行く?


明日から三連休だということを
さっき知りました。

この仕事していると
曜日感覚がなくなってくるもので。。。

曜日なんかよりも
我々は締切の二文字を中心に回っているもので。。。

というわけで
ネイティブトラウト専門誌 鱒の森 フィニッシュしました。

2011 SUMMER 鱒の森 No.11 は7月25日発売です!

よ〜し、明日からの三連休、釣りまくったるゾ〜!

となるのでしたら
疲れも富士山の五合目あたりまで吹っ飛びそうなものですが
入れ替わりバトンタッチで
月刊つり人9月号の最終校正が始まります。

「釣り行きたきゃぁ、連休明けに行けばいいじゃないっすか」
と進行のM野は不敵な笑みを浮かべるが
連休明けは台風直撃じゃないのか?

「何としても、今日中に終わらせるぞ。
このままだと、欲求不満で病気になりそうだ」

と言っては見たものの

「大丈夫ですよ、その程度ならただちに健康に被害出ませんから」

だって。

(山根)




ブラックバスは肥料になるために生まれたわけじゃない


夢を見た。

公園で子どもたちが遊んでいる。

4,5人で野球の真似事をしているようだ。

ピッチャーが投げる。

プラスティックのバットを構えたバッターが球を打つ。

球……。

球がおかしな形をしている。
球形には程遠い、
魚に似ている。

球のような物体が三塁方向に転がっていく。

周りで見ていた母親たちが
甲高い笑い声をあげる。

三塁を守っていた子どもが転がってきた物体を蹴る。

それが自分の近くに転がってきた。

ブラックバスじゃないか。

まだ生きているゾ。

「コラ、お前たち、生きた魚になんてことするんだ!」

力いっぱい叫ぶが
声が届かないようだ。
子どもたちは、こっちを見てゲラゲラ笑っているし
母親たちも口に手を当てて笑っている。

「お母さんたち、この魚生きているんですよ、注意しないとダメじゃないですか」

どれだけ叫んでみても、声は届かない。

で、目が覚める。

前にも同じような夢を見たが
実はコレ、単なる夢の中の話ではない。

実際に、ぼくの知り合いが
これに近い光景を
ブラックバスがリリース禁止にされている自治体で
目撃したというのだ。

ぼくは、その話があまりにもショックで
上記のような夢を2度見た。

ひょっとして、昨夜の夢は
下記のニュースを見たからかもしれない。

外来魚駆除釣り大会(キッズ登録会)の開催について

大会という名で子どもたちを集め
ブラックバスを釣って殺させるのだという。

そのように人間のエゴで殺されたブラックバスの肥料で作ったスイカを
子どもたちにふるまうのだという。

昨今はゲームなどバーチャルの世界での殺し合いが
子どもの情操教育に悪影響を及ぼすのではないかと
危惧されているが
いったい、このようなイベントは
子どもたちの心にどのように刻まれていくのか。

福島第一原発の事故は
この国の将来にドス黒い影を落としたが
それ以前に
日本人は大きく道を踏み外してしまっていたのではなかったか。

肥料になるために生まれてくる魚なんて
1尾だっていやしないんだ。

(山根)


鱒の森vol.11 夏号は7月25日発売!


トラウト専門誌「鱒の森 2011 SUMMER」は
7月25日発売です!!!

現在、編集作業の最終段階に入ってます。

全国のトラウトファンの皆様
今しばらくお待ちください!

(山根)
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