人目を引くほど肉付きのいいヤンママが
片手でベビーカーを押し
片手でスマホを手にし
大声でがなり立てていた。
「そうそう、アイツだよ、あのデブ。
なんなんだろうね、あのデブ」
この肥えたママにデブと罵られるアイツって
どんだけ太っているのだろう……。
クックックッと笑いをかみ殺しながら
彼女を追い越して駅に向かっていると
思考がある一人の友人の姿を脳裏に写し出した。
中学からの友人で身長185センチ、体重130キロ。
中学時代のあだ名は「デブ」。
柔道家であり、某一部上場企業に勤める今も柔道をしている。
今でも、たまに飲みに行くのだが
なんのためらいもなく私は彼を「デブ」と親しんだあだ名で呼んでいる。
しかし、冷静に考えてみると、
まさにデブがデブをデブと呼んでいる構図ではないか。
人のフリ見て我がフリ直せというけれど
今朝出会った肉だるまママは、格好の教材だった。
もう、デブと呼ぶのは止めるよタカシ君。
さて、明日はアユ釣り解禁の取材に行きます。
昨夏のアユタイツが入るかどうか
ちょっぴりドキドキしています。
(山根)