

写真上は竿富のタナゴザオ。
8寸仕舞6本継ぎのクジラ穂仕様です。
写真下は竿辰のフナザオ。
5本継ぎ・印籠継・尺8寸。
江戸時代から脈々と受け継がれてきた技法で
今なお、職人さんが一本、一本手作りする江戸和竿。
漆を手拭きで塗っては乾かし、塗っては乾かしで
1本仕上げるのに数ヶ月間。
当然ながら市販のカーボンザオよりもはるかに高値です。
といって、和ザオだから特別に釣れるというわけでもありません。
けれど、今でも
タナゴ、フナ、ハゼ、カワハギ、イシダイなどのジャンルでは
和竿愛好家が多くいます。
分からない人にはただの酔狂としか映らないかもしれませんが
そもそも、粋ってそういう世界観なのでしょう。
ネットの発達に伴って人間社会は合理化至上主義みたいになってしまっていますが
そもそも、文化って非合理的なものですよね。
華道にしたって茶道にしたって
あんなことしなくたって花は愛でられるし、お茶は飲めます。
でも、随所に趣向を凝らすことによって
分かる人にしか分からない奥深い世界ができるわけです。
釣りもまたしかり。
その辺で拾った棒っきれでも魚は釣れるけど
趣向を凝らした道具で楽しむ。
これこそが、「漁」ではなく「遊漁」としての釣り文化。
江戸和竿はじめ、趣向を凝らした和の釣り具を中心にした
面白いオンラインショップがコチラにあるので
興味のある方はのぞいてみてください。
(山根)