月刊つり人は来月(2015年7月)に創刊70年という節目を迎えます。
世界最高齢の釣り月刊誌といえますが
その中で20年以上も続く連載があります。
わが国随一の釣り文献収集家といわれる
金森直治さんの「浮世絵これくしょん」です。
ただの浮世絵ではなく、釣りと関連のある浮世絵だけを
毎月、欠かさずに紹介してくれています。
よくもまぁ、これだけ釣りと関連する浮世絵があるもんだと
毎号毎号、驚かされます。
連載は浮世絵 一竿百趣という一冊の本にまとめられていますので
興味のある方はご一読ください。

その金森さんが先日、日経新聞の文化面に取り上げられました。
「水辺の風景 釣り上げる」
というタイトルで、こちらは浮世絵ではなく
釣りと関連のある絵葉書の話。
記事の中で
日ごろは温厚な金森さんの魂の叫びのような一文があったので
引用させていただきます。
「最近はなかなか遠出はできないが、
できることならば絵はがきに写っている場所を探訪し、
その変化をこの目で確かめてみたいものだ。悲しいかな、
水辺の原風景を写した絵はがきは、日本人が自然に対して
どのように暴力を振るったかがわかる証拠写真でもある。」
記事の中では静岡県狩野川のアユ釣り風景が収められた
絵はがきがカラーで紹介されていますが
このため息が出そうな風光明媚な風景には、
たしかに今はどうやってもお目にかかることはできません。
金森さんが数十年かけて集めた証拠写真の数々も
絵はがきを旅するという本の中に収められています。

「あの釣り場は昔はこんな風景だったのか」
「あそこには、こんな大きな淵があったのか」
とジ〜ンと訴えてくる絵はがきばかりです。
ぜひご一読ください!
(山根)