秋田の鹿角市で起きた
一連のツキノワグマによる事故。
非常に痛ましい出来事ですが、
襲われた人の目的はネマガリタケ、
つまり山菜採りでした。

以前、早春の秋田米代川水系に
渓流取材に出掛けた時、
地元の方が「山菜はこれが一番人気」
と教えてくれたネマガリタケ。
長い冬を終えて、ようやく手にできる
山菜には、都会にいては理解できない愛着が
あるに違いありません。

さて、山菜採りは夢中で斜面に分け入ります。
それに比べて、釣りは開けた川の中を進みます。

そのため、「クマに襲われた」というニュースがあっても、
多くの釣り人は心のどこかで、
「おそらく山菜採りの人なのでは?」と
なかば自動的に想像するのではないでしょうか?
そして実際、クマ/ツキノワグマの被害のニュースも、
ほぼ山菜採りや登山です。

ところが、今回の島根県浜田市の八戸川で、
釣りに来ていた男性がクマに襲われて負傷したというニュース。

釣りとクマ(ツキノワグマ)が直接結びついただけでも
まず驚きましたが、その後、釣りが渓流釣りでも源流釣りでもなく、
「アユ釣りの準備中だった」と聞いて確実に
段階が1つ進んだと感じざるを得ませんでした。

山里の川とはいえ、山奥に比べたらはるかに
開けたアユ釣り場でクマが人に危害を加えるとは……。

充分に情報収集するとともに、
釣り人も意識を改めないといけなさそうです。

(八木)