伊豆半島の陸っぱり釣り場を網羅した

伊豆ドライブマップ(7月上旬発売予定!)

製作もいよいよ大詰め。
最終チェックのため2日間、
朝から晩まで伊豆半島を徘徊した。

釣具店や渡船、船宿などの情報を網羅したカーナビ
「釣りキチ ナビ平」と実際の道路状況、地図とを照らし合わせて
最終チェックを行なう。

1日中、車の中で地図と睨めっこするのだから、
助手席に座る人は大変だ。考えただけで車酔いしてくる。
誰を連れて行くか?

白羽の矢がたったのが編集部マノだ。
初の沖釣り取材が波高5mの伊豆下田沖だったにもかかわらず、
平然と船内で昼飯をたいらげ、
沖釣り応援団長こと大塚貴汪さんを唸らせたほどの
三半規管を備えた10年に1人の逸材。

初日は伊豆半島の付け根、
田子の浦を早朝に発ち、
以後はひたすら下道を走り続ける。
釣具店や道標があるたびに車を止め、
つぶさにチェックする。

車の運転をするだけで疲れるのだから、
マノはさぞかし大変だろう。
と、思い、助手席をちらりと見やると、
地図を手にしたまま白目をむいている。
「大丈夫か!」
「あっ、スミマセン、気を失ってました」
すぐに車を止め、休憩。
「なんだか、気持ちが悪くって」
これまで、乗り物酔いの類とは無縁だった男から
信じられない言葉が飛び出した。

だが、僕は聞こえないフリをして、
車を再び走らせた。
マノはみごとに復活し、
任務を遂行してくれた。

夜、僕らは赤沢温泉ホテルに宿を取った。
ここは1泊2食付だと1万5000円だが、
素泊まりだと6000円なのだ。
それで、日帰り温泉館(1200円)も出入り自由。

目の前の赤沢港でエギングをしたかったが、
大雨強風のため断念。
チェックイン後すぐに本館の大浴場へ向かった。
以前、日帰り温泉館に行ったときは
イモ洗い状態に辟易したが、
本館は空いている。
東伊豆の海を一望できる露天風呂にゆっくりと浸かって
英気を養う。
露天風呂.JPG
釣り好きにはたまらない露天風呂。もちろん、タオル類はすべて脱衣所にある。ちなみに、部屋は12畳ほどの純和風。素泊まりとはいえ、これで6000円は安い!

「いや〜、いい所ですねえ。
こんな宿に泊まっちゃっていいんですか?
うれしいなあ、今度彼女を連れてきてあげよう」
感情をあまり表に出さないマノが、
めずらしく溌剌としている。

「そうだよ、連れ来てあげなよ。
こうやって、取材のときに各地の温泉に入ったり、
郷土料理を食べたり、快適な宿を見つけるのも、
俺らの仕事の一部なんだからさ」
「そうですね」
マノの目がキラキラとしていた。

君もいつか気付くだろう。
連れて来てあげたいリストは増える一方で、
現実的にはそんな時間もカネもなく、
どこにも連れて行ってあげられないということを。