秋ブナをねらって水郷、佐原へ。
写真家の津留崎健氏を秋の水郷に連れて行ったら
どのような写真が上がるのか。
かねてから一度、トライしてみたかったのだ。

釣り人は港区芝で江戸末期に創業した
おかめ鮨の五代目店主、長谷文彦さん。
どうせ釣りに行くならネタになりそうな海釣りに行けばいいものを、
フナ釣りやハゼ釣りといった江戸前の釣りをこよなく愛する
ピュアな釣り人である。

朝イチ、黄金色の稲穂が垂れるすぐ横のホソで
長谷さんの9尺ザオがゆるやかな半円を描いた。
カーブを描く竹ザオの表面が秋の優しい光をキラリと反射させる。
幅1・5mほどのホソの水面を割ったのは
肉付きのいい、手のひらより少し大きな銀ブナだった。

「ああ、いいねえ」
「きれいだねえ、最高だよ」

と言いながらカシャカシャとシャッターを切る巨匠の向こうで
フナを手にした五代目は子どものような無邪気な笑みを浮かべていた。

詳細は月刊つり人12月号(10月25日発売)にて!

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東京からクルマで2時間の楽園

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秋でも場所を選べばこのクラスがサオを絞り込む

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色とりどりのフナ仕掛け