今日は久しぶりの休み。
考えてみれば、
今月に入って初の休みである。

といってもカミさんは仕事に行ってしまったため
4歳の娘と家でふたりっきりである。
慣れない育児ほど疲れるものはない。

「そうじゃないでちょ、もっとちゃんとやって」
「だから、なんでそういうことするの、ダメでちょ」
「教えてあげるから、こっちおいで」

プリキュアだのミッフィーだののレクチャーを
子供から受けていると、頭がどうにかなりそうである。
このまま向こうのペースでやられたらかなわん。
そうだ、ビデオでも見せてやろう。

娘がリクエストしたのは「あらしのよるに」というアニメ。
見たことも聞いたこともないが
どうやら動物アニメらしい。

鬼のいぬ間に皿洗いを済ませ、新聞を読み
椅子に座って子供の視線の先を追う。
ガブという名のオオカミが
メイという名のヤギを油断させて
隙あらば食べてしまおうとしている。

フン、ありきたりの童話かな?
なんて思いつつも、
しばらくボケ〜っと見ていると
だんだん物語りに引きこまれていった。
やがて釘付けに。

なんて切なくて美しい話なんだ。

途中、何度か目頭が熱くなり、
子供に見られぬよう、そっとティッシュを手にした。

映画が終わるとすぐに子供はおままごとを始めたが
僕はエンディングのテロップが出尽くすまで
椅子から立ち上がれなかった。

それにしても、あれは単なる子供向けの映画だったのか?
と疑問に思い、夜、調べてみると
やはりそうではなかった。
原作の「あらしのよるに」(きむらゆういち著/講談社刊)は
1994年に出版され
以来、子供から大人まで幅広い層に支持されているという。
小学校の教科書にも掲載され、
学校指定図書、図書館指定図書にも採用されているようだ。

アメリカやヨーロッパ、アジア各国でも
翻訳され、高い評価を得ているという。
となると、知らなかったのはオレくらいのもんか?

というわけで、家族が寝静まった深夜
最初からきちんと「あらしのよるに」
と向き合ってみよう。