若い衆の尻の穴を
ワケノシンノスという地方があるが、
先日、福岡は柳川にてワケノシンノスを食べた。
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柳川名物ワケノシンノスの味噌煮

世界中を食べ歩いた直木賞作家、壇一雄は
柳川に帰郷すると必ずこれを食べたという。
「若い衆の尻の穴を食べるのか?」
喫人は中国だけでなく、世界各地であったようだが、
それは大昔の話である。

ワケとは有明海のイソギンチャクのことであり、
尻の穴に似ているからワケノシンノスと呼ぶ
ようになったとか。今ではもっぱらワケで通る。

ワケの味噌煮に続いて
タイラギのワタ。
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柔らかいナマコのような感じのタイラギのワタ

タイラギとは有明海に生息する
カラスガイにラージライトを当てて巨大化させたような貝で、
東京の寿司屋でも、この貝柱を食べさせる店は
少なくない。しかし、本場ではワタも酢の物として食べるのだ。

お次は柳川でクツゾコ(クチゾコ)と呼ばれる
シタビラメの煮付け。
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靴底に似ているからクツゾコという名が付いたとか

僕はこれが大好物で、
柳川に行くと必ず食べる逸品である。

さて、柳川に行ったのは
美味しいものを食べるためではない。
いや、正確には食べるためだけではない。
美味しいものも食べ、
存分に釣りまくるためである。
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町中のいたるところでマブナが入れ食い!

柳川には町中に水路やホソ、クリークが点在していて
フナ、ハヤ、ウナギ、ライギョなどがどこでも釣れる。
でも、地元の釣り人はたいがい、有明海に行くので
ほとんどがサラ場だ。
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こんな風景がそこかしこで見られる

現在発売中の月刊つり人5月号
乗っ込みブナ特集では佐原水郷の大明解マップを掲載。
いつかは柳川水郷大明解マップをやってみたいけど、
あの蜘蛛の巣のように町中に張り巡らされた水路を探り歩くのは
一生かかってもできないかもしれない。